事例2(遺言での信託>遺言信託

・父80歳、長男50歳の2人家族

・母はすでに他界している

・長男は知的障害があり、自宅で父と生活をしている。未婚

 

(遺言信託)

・遺言者兼委託者:父

・受益者:長男

・受託者:親族A

・信託財産:土地・自宅建物・現金

 

(父の希望)

・父亡き後の長男の安定した生活の支援と福祉を確保したい

 

(遺言信託のポイント)

・遺言書の中で信託を設定する

・遺言者の死後に発効する

・受託者が定期的にあるいはその都度、生活費等を受益者に渡すことで、受益者の安定した生活を確保する

・負担付き遺贈では、贈与された財産が親族固有の財産になってしまうが、信託であれば、受託者固有の財産にはならず、信託行為の範囲内でしか財産の管理処分ができないため抑止力になる

・必要に応じて、信託監督人を置くことも検討する

・負担付き遺贈では、受遺者が破産した時には遺贈された財産も清算対象になってしまうが、信託の場合は、倒産隔離機能があるため、信託財産は受益者のために守ることができる

 

(問題提起)

・遺言者が成年後見制度を利用することになると、信託財産も管理下に置かれるため、任意後見契約の締結を考慮する必要がある

・後見制度支援信託制度の利用を避けるため、信託財産である残余財産が遺言信託の信託財産に注ぎ込まれるような特別の定めが必要

・遺言作成にあたっては、遺言者の単独行為で行われ、受託者が推定相続人、受遺者およびそれらの配偶者、直系血族は、公正証書遺言作成の場から退席させられるため、受託者に就任を要請する段階から、受託者には信託の仕組みと行うべき事柄を説明し、誠実に事務処理を行うことを承諾してもらう必要がある

・家族信託と違い、信託効力発生時には遺言者は存在していない、ということを意識して、受託者とは真剣に協議する必要がある

・信託銀行が信託する際に締結する、協議に基づいた信託の与諾等に関する事項を盛り込んだ「約定書」や信託事務や信託報酬等の「信託約款に関する特約」という書面の活用も検討する

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