事例4(福祉型家族信託)

・父80歳、長男52歳、長女50歳の3人家族

・母78歳はすでに他界している

・現在、父と長女が同居して暮らしている

・長女が発達障害で30年近く、家に引きこもっている

・長男は結婚して、他市で生活をしている

・長男の子(孫)が実家の近くで暮らしており、父の世話をしてくれている

 

(家族信託スキーム+任意後見制度の利用)

・委託者兼第一受益者:父

     第二受益者:長女

・受託者兼第三受益者:長男

・予備的受託者兼第四受益者:孫(長男の子)

・信託監督人:士業X

・信託財産:賃貸マンション・現金(預金の一部)

・成年被後見人:長女

・成年後見人:父・孫(長男の子)

 

(父の希望)

・父亡き後の、長女の今後のことが不安

・長男には長男の生活があるので迷惑はかけたくない

・長女には施設で安心して暮らしてほしい

 

(信託設計のポイント)

・父が元気なうちは長女の面倒を見て、父が認知症になった場合は、長女を施設に預け、信託財産から必要な資金を出せるようにする

・長男が先に亡くなっても、孫が受託者となるので、長女は安心して施設での生活をすることができる

・親の財産の一部を信託財産にすることで、親亡き後に子が直接相続する固有財産を減らすことにより、この財産管理をする成年後見人の負担を減らすことができる

・成年後見人を親族にして身上監護を重点にサポートをして、受託者は信頼できる第三者等にするという役割分担も可能

・成年後見人を利用しなくても支障がないケースも多いが、親が突然亡くなってしまう場合に備えて、任意後見契約を締結しておく

・障害を持つこのサポート体制として、地元のNPO等に協力してもらい、信頼できる周辺の病院や施設を確保した

 

(問題提起)

・親亡き後、様々な契約行為があり、また障害年金等の管理も必要なため、成年後見人をつける必要がある

・成年後見人が親族の場合、身元引受人になることができるが、第三者が成年後見人についた場合は連帯保証人や身上看護面でどこまで立ち入ることができるのか懸念される

・第三者後見人がついた場合の将来的な生活資金が不足しないかどうか検証しないといけない

・親亡き後の子の生活拠点の確保が重要だが、障害の状況や同居親族の存在の有無など、施設入所を考慮する場合はその施設確保が難しいケースが多い

・障害により子の遺言を書く能力がない場合、その子に推定相続人がいない場合は最終的には残った財産は国庫に帰属することになる

・効果的に家族信託と成年後見制度を利用してもらうことを心がけないといけない

・法律系後見人も福祉に関する知識を充実させていくことが求められている

・親亡き後問題の解決に向けて、各士業と福祉関係者が相互に連携しチームサポートを行うことが、行政を含めた密接な連携に発展していくことが急務

・一般の方々にも「親亡き後」問題が広く認知されることが大事

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